繋、夢

はじめまして、創世風満智留です。そよかぜみちると読みます。
本当はこの挨拶を一号公演の稽古場日誌ですべきでした。が、一号公演はあまりに忙しくて、稽古場日誌なんてものをする余白がなく。というか、ただでさえ苦手な脚本を書き終えて、しばらく書き物系に対してすっかり疲れていました。諸々あって、二号公演でのご挨拶となりました。今公演の稽古場日誌は曜日担当制をとっているので、私は土曜日担当となりました。よろしくお願いします。
脚本を書くのに途方のない苦手意識があるので、今公演では小田さんの脚本で上演できて本当に助かっています。自分で書いた脚本を演出するのは純度100%の自分をお届けできる一方で、自分の世界の範囲でしか表現できないので、どうしても一馬力になってしまうという限界は感じてしまいます。他人の脚本をやる時は、ビジョンの一致がどうしても必要ではあるけれど、脚本と演出、それぞれの範囲で表現できるので、豊かな世界を創造できます。今まさに、豊かさを感じています。
小田さんの脚本を自分が演出する時、水を得た魚という諺を体感します。育ってきた背景も環境も全然違うだろうに、なぜでしょうね。以前、劇団立命芸術劇場(立芸)で、小田さんの『新説・銀河鉄道の夜』を演出した時、ここだけの話「もう怒られてもいいや!」と思うくらいに(もちろんリスペクトは込めて)好き勝手しました。当時は特に面識もなかったので、本当に遠慮なく好き勝手して、怒られたらその時だ!ぐらいのテンションで私のセンスを全力投入しました。一例でいうと、男性設定の教師役を女性にしたりとか……でも、怒られるどころか喜んでいただけて。それまで演出に成功体験がなかった私は、銀鉄で報われました。それから観劇、稽古参加、仕込み参加と徐々に関係値を築いていって、今回です。ちなみに去年は私、4回も山口に行ったそうです。おかしいな?実家より行ってるぞ?
演出家として、全幅の信頼がおける脚本家、これは貴重です。日本映画史の世界では必ず耳にする牧野省三の言葉「一スジ、二ヌケ、三ドウサ」を重視する私だからこそかもしれませんが、その貴重さにこだわってしまうからこそ、自分が納得のいく演出をするには自分で書くか、小田さんに書いてもらうかぐらいの、現状二択しかないんです。でも前者には限界があるという自覚があるので、後者の私は生き生きしています。私は小田さんの言葉に生かされているんですね。
『Novelist』。宮沢賢治『注文の多い料理店 序文』より、「すきとおったほんとうのたべもの」となる、三つの愛の物語。今公演は演出はもとより、上演日程、上演会場、上演時間の全てに本当にこだわりを込めました。演劇するには閑散期なのに、なぜこの日程なのか。京都にはしようと思えば割とどこでも演劇できるだろうに、なぜSocial Kitchenなのか。マチネはともかく、ソワレがこの時間なのはなぜか。「劇団創世風座」において私が主宰だからこそ許される、夢想的で神経質なわがままが、ご来場いただいたあなたに、「すきとおったほんとうのたべもの」として伝わることを願って。
ここまで、創世風満智留でした。また来週!

劇団創世風座 二号公演
脚本 小田春(演劇ユニット・ロカイユ)
演出 創世風満智留
原作 宮澤賢治『注文の多い料理店 序文』
【日時】
2026.02.12 17:15開演
2026.02.13 14:00開演/17:15開演
2026.02.14 14:00開演/17:15開演
※1 開場は開演の30分前です。
※2 演出の都合上、開演時間には開演いたします。お時間に余裕を持ってお越しください。
※3 上演時間は45分を予定しております。
【会場】
Social Kitchen 2F SPACE